コラム

本が完成したあとに残る、商品説明という最後の原稿がある

本文・目次・表紙が完成しても出版は終わりません。読者が最初に読む商品ページの説明文という、書く力とは別の工程が、いちばん疲れた最後に残っています。基準がないまま数行で済ませがちです。

親ガイド: Kindle出版の販売文と商品ページ、書籍LPの作り方

本ができたあと、まだ書くものが残っている。

本文を書き終え、目次を整え、表紙も決まった。ここまでくれば出すだけだと思っていると、商品ページを作る段になって手が止まる。本の説明文を書く欄がある。何を書けばいいのか。どれくらいの長さが適当なのか。見当がつかない。本文とは別の文章を、もう一本書くことになる。

やってみると、これが本文よりも難しい。本文は自分の考えを順番に並べればよかった。説明文は、まだ中身を知らない人に向けて書くものだ。全部を説明すると長くなる。削ると何の本か分からなくなる。自分の本なので、どこが読みどころなのかを客観的に見られない。数行書いては消す時間が続く。参考にしようと他の本の説明文を読むと、今度は自分のものが物足りなく見えてくる。うまい説明文はどれも自信ありげで、同じ調子で書こうとすると嘘くさくなる。自分の本にちょうど合う温度が分からないまま、語尾だけを直す時間が過ぎる。

ここでつまずくのは、必要な技能が違うからだ。本文を書くのは書く仕事。説明文を書くのは売る仕事に近い。読者が何を見て買うかを考える作業で、書いてきた延長線上にはない。最後の最後に、これまでと別の種類の文章を求められる。

慣れていないぶん、どこまでやれば終わりなのかも分からない。本文なら書き切れば終わる。説明文には完成の基準がない。もっとよく書ける気がして、いつまでも手が離せない。あるいは逆に、早々に諦めて数行で済ませる。極端になりやすいのは、基準を持っていないからだ。しかも、書いた結果が良かったのかどうかを確かめる方法もない。読まれなかったとき、原因が中身なのか説明文なのかを切り分ける材料が残らない。

さらに、この工程は本文の完成後にしか着手できない。中身が決まらないと説明も書けないので、疲れ切ったところで最後の一本が回ってくる。ここまでの工程で力を使い切っていると、適当な数行を入れて済ませることになる。せっかく書いた本が、説明文のところだけ手を抜いた状態で並ぶ。工程の並びとしても不利になっている。いちばん難しい仕事が、いちばん疲れているときに置かれている。順番を変えられればいいが、中身が決まらないと書けないので動かせない。構造として、手を抜きやすい位置に置かれた工程になっている。

見落とされやすいのは、読者がこの文章を本文より先に読むという点だ。ストアの棚で表紙を見た人が、次に読むのは説明文になる。本文がどれだけよくても、そこを読んでもらえるかどうかは説明文が決めている。最後に力尽きる工程が、実は最初に読まれる。本文の完成度を上げるために何週間もかけたのに、読まれるかどうかを決める数行に30分しかかけていない。時間の使い方として釣り合っていないのだが、作業の順番どおりに進めると自然にそうなる。

見出しやタイトルにも同じことが起きる。書いているときの題名は、自分にとって分かりやすい言葉になりやすい。日記的で、抽象的なものになる。探している人に届けるには、誰が何をどうするのかを示したほうが見つかりやすい、という指摘がある。中身を変えずに、入口の言葉だけを書き換える作業が、ここでもう一度発生する。

扱うものの多さも効いてくる。実際にまとめた人の手順を読むと、原稿のほかに表紙画像、商品説明、EPUBと、管理する対象が並んでいる。説明文は、その中の一項目として最後に置かれている。重要度と、置かれている位置が合っていない。

自分の本を外から見られない、という制約もついて回る。どこが読みどころかは、書いた本人にはいちばん分かりにくい。何度も読み返しているので、どの説明が当たり前でどれが親切なのかの区別がつかなくなっている。当たり前だと思って省いた部分が、読者にとっては最初に知りたい情報だったりする。人に読んでもらえば分かるが、その相手を探すこと自体が、また別の工程になる。

手を抜いた結果は、あとから分かりにくい。説明文が弱くて読まれなかったのか、そもそも届いていないのか、中身が合わなかったのか。出したあとに残るのは結果だけで、原因の内訳は残らない。だから次の1冊でも、同じ配分を繰り返すことになる。改善の手がかりが手元に残らない構造になっている。

書く力と売る力は別のものだ、と分けて考えたほうがいい。同じ人が両方を最高の状態でやれる前提のほうが、たぶん無理がある。得意でないほうに、どれだけ時間を残しておくか。それを先に決めておく話になる。

今日できることもひとつ。自分が最近買った本の商品ページを開いて、説明文を最後まで読んでみる。どこで買う気になったかが分かれば、自分の本のときの基準になる。最後まで読まずに閉じたなら、そこが避けるべき書き方だ。

出版ラクダではどうなるか

出版ラクダは、原稿を入れるだけで目次・本文整形・表紙・挿絵・販売文を生成し、EPUB/Kindle入稿用EPUB/PDFまで書き出す、買い切り型のKindle出版支援Webサービスです。販売文はプランに応じて1本・3本・10本まで生成できます。候補を並べて選べるので、本文を書き終えて力尽きたところで白紙から一本を書き起こす工程が要りません。商品ページの説明文という、最後に手を抜きやすかった工程を、原稿を入れた同じ流れの中で片づけられます。

よくある質問

本文が完成したあとに残る工程には何がありますか?
商品ページに載せる説明文(販売文)という、本文とは別の文章を書く工程が残ります。本文を書く力と、読者に向けて売る文章を書く力は別のものです。
出版ラクダでは販売文を何本まで生成できますか?
プランに応じて1本・3本・10本まで生成できます。