比較

出版ラクダとKindle Createの違いを工程で比較する

Kindle CreateはAmazon公式の原稿整形ツールで、章の自動検出や本文整形はできますが表紙作成は対応外です。出版ラクダは原稿を入れるだけで目次・整形・表紙・EPUBまで一括生成する買い切りサービスで、担う工程の範囲が異なります。

親ガイド: Kindle出版の全手順。6工程とKDP公開までの流れ

原稿ができたあと、多くの人がまず候補にするのがAmazon公式のツールKindle Createと、出版ラクダのようなAI活用の出版支援サービスです。どちらも「原稿をKindleで読める形に整える」という点では重なりますが、担っている工程の範囲が違います。

この記事では、KDP公式ヘルプで確認できるKindle Createの仕様をもとに、出版ラクダとの対応範囲の違いを整理します。似たツールをまとめて比較した記事はKindle出版に使うツールの比較にもまとめてあります。執筆時点(2026年9月)の公式ヘルプに基づく内容です。

結論(どちらが向いているか)

原稿がすでに章立てまで整っていて、表紙は自分で別途用意できる、またはKDPのCover Creatorなど他のツールを使う前提の人には、Kindle Createが向いています。KDPへの入稿に使うKPF形式まで直接書き出せます。

一方、章立てをゼロから設計したい人、表紙のデザインも任せたい人、販売文まで含めて1つの流れで仕上げたい人には、原稿を入れるだけで工程をまとめて進める出版ラクダのようなサービスが向いています。特に、原稿はあるが章の区切りをどこにすればいいか決めかねている段階では、章の自動検出だけでは不十分で、目次そのものを設計してくれる機能のほうが役に立ちます。

両者は代替関係というより役割分担に近く、Kindle Createが担うのは「原稿を入稿ファイルに変換する」工程、出版ラクダが担うのは「原稿を入れてから入稿ファイルと販売文が揃うまで」の工程、という対応範囲の違いになります。

比較表

工程 出版ラクダ Kindle Create
本の設定 ○(タイトル等を入力) ○(タイトル等を入力)
原稿入力 PDF・Word・ZIP・各種テキスト(合計50MBまで) DOC/DOCX(リフロー型)・PDF(プリント・レプリカ/コミック)
目次生成 自動設計(3〜7章・各2〜4節) 章の自動検出+簡易目次作成(リフロー型のみ)
本文整形 自動整形 スタイル調整・画像挿入(手動操作)
表紙・挿絵 テンプレート30種以上・挿絵50種以上 非対応(別途Cover Creator等が必要)
出力・販売文 Markdown/PDF/EPUB/Kindle入稿用EPUB(回数無制限)・販売文1〜10本 KPFまたはEPUB書き出し(販売文生成なし)
料金形態 買い切り(Basic ¥4,980〜、継続課金なし) KDPアカウントで利用(料金は公式ヘルプを確認)
出力形式 Markdown/PDF/EPUB/Kindle入稿用EPUB KPF・EPUB(リフロー型のみ、画像ブリード等は非対応)

原稿の取り込みと目次づくり

Kindle Createは原稿の種類によって取り込み方式が分かれます。KDP公式ヘルプによれば、リフロー型の電子書籍はDOC/DOCX、プリント・レプリカ電子書籍とコミックはPDFで取り込む仕様です。リフロー型の原稿では章の自動検出と簡易な目次作成に対応していますが、複数階層の目次を柔軟に組み直す機能までは、確認できた範囲のヘルプページには説明がありませんでした。

つまりKindle Createの目次づくりは、原稿側にすでにある見出しを認識して並べる仕組みに近く、章立てそのものをゼロから設計する機能ではありません。原稿を書く段階で見出しの粒度や章の数をある程度決めておく必要があります。何章にすればよいか、各章に何節入れればよいかで迷う場合は、目次づくり自体の考え方を扱った記事もあわせて参考にしてください。

原稿を用意する段階と、その原稿をKindle Createに読み込ませる段階が分かれているため、見出しの付け方に誤りがあると、期待した章区切りにならないことがあります。取り込み前に見出しスタイルを整えておく下準備が、実質的に必要な作業として残ります。

表紙まわりの違い

KDP公式ヘルプのチュートリアルでは、Kindle Create内での表紙フォーマットには対応していないと説明されています。表紙は別途、KDPのCover Creatorなど他のツールで用意する前提です。挿絵についても、右クリックで画像ファイルを挿入する手動操作が案内されており、小さい画像は拡大表示時に不鮮明になる場合があるという注記があります。表紙と挿絵まわりの工程は表紙と挿絵の作り方で扱う内容と重なります。

出力形式とKDP入稿

書き出し時は、KDPのフル機能に対応するKPF形式(推奨)か、EPUB形式(リフロー型のみ、画像ブリードやドロップキャップなど一部の表現には非対応)を選べます。このあたりの用語や入稿ファイルの扱いはKindle入稿用EPUB、入稿までの流れ全体はEPUB作成とKDP入稿にまとめています。

なお、確認できた範囲のKDP公式ヘルプには、書籍の販売説明文(商品ページに載せる文章)を作る機能についての記載はありませんでした。Kindle Createは原稿を入稿ファイルへ変換する工程が中心で、販売文や商品ページ用の文章は別途自分で用意するか、他のツールで作成することになります。入稿ファイルが完成したあとに販売文で手が止まる、という工程の切れ目が生まれやすい部分です。

出版ラクダではどうなるか

出版ラクダは、原稿を入れるだけで目次・本文整形・表紙・挿絵・販売文を生成し、EPUB/Kindle入稿用EPUB/PDFまで書き出す、買い切り型のKindle出版支援Webサービスです。Kindle Createが担うのは原稿を入稿ファイルに変換するまでの工程ですが、出版ラクダでは原稿を入れた時点から、目次(3〜7章・各2〜4節)の自動設計、本文整形、表紙(30種以上のテイスト)と挿絵(50種以上のタッチ、3〜15箇所)、販売文(1〜10本)までを同じ流れの中で生成します。

出力はMarkdown・PDF・EPUB・Kindle入稿用EPUBを回数無制限で書き出せるため、表紙だけ、目次だけを別のツールで作り直す手戻りが起きにくくなります。工程を1つずつ別のツールに任せたい場合はKindle Createも選択肢になりますが、原稿から入稿・販売文までを一度の流れで済ませたい場合は、Kindle出版の全手順で工程全体を確認したうえで検討するとよいでしょう。

よくある質問

Kindle Createと出版ラクダは、どちらか一方を選べばいいですか?
工程の範囲が異なるため、必ずしも二者択一ではありません。原稿の整形と入稿ファイル作成だけをKindle Createで行う人もいれば、目次設計・表紙・販売文まで含めて1つの流れで済ませたい人は出版ラクダのようなサービスを使います。どこまでを自分でやりたいかで選び方が変わります。
Kindle Createで表紙は作れますか?
KDP公式ヘルプのチュートリアルでは、Kindle Create内での表紙フォーマットには対応していないと説明されています。表紙は別途KDPのCover Creatorなど他のツールで用意する前提になっています。
Kindle CreateとKindle入稿用EPUBの関係は?
Kindle Createの書き出しはKPF形式が基本で、EPUB書き出しはリフロー型の原稿に限られ、画像ブリードやドロップキャップなど一部の表現には対応していないとKDP公式ヘルプに記載があります。Kindle入稿用EPUBという用語自体の説明は別記事にまとめています。

出典と確認日