文体と表記をKindle本1冊でそろえるには、どうすればいいですか。敬体か常体かを先に決め、文末表現と表記ゆれを原稿全体で洗い出して統一したうえで、最後に通し読みで見出しの体裁まで確認する順に進めます。
結論(先に答え)
文体をそろえる作業は、原稿を書き終えたあとのついでの直しではなく、独立した工程として時間を確保したほうが結果的に早く終わります。基準を先に決めてから直すのがコツで、直しながら基準を決めると、あとから前に直した分までやり直すことになります。本文整形の手順の中でも、文体の統一は見出しや改行と並ぶ確認項目のひとつです。
手順1: 敬体か常体かを決める
最初に、です・ます調(敬体)とだ・である調(常体)のどちらで書くかを1つに決めます。章ごとに担当を分けて書いた原稿や、ブログ記事を集めて作った原稿では、この2つが混在していることが少なくありません。
迷う場合は、原稿全体の中で使われている文の数が多いほうに合わせると、直す分量を抑えられます。あとから変える前提で仮に決めてしまうと、直す作業を2回行うことになります。
手順2: 文末表現の基準を決める
文体を決めたら、次は語尾のバリエーションを絞ります。「〜です」「〜ます」「〜でしょう」「体言止め」をどの割合で使うかを決めておくと、通し読みのときに迷わず直せます。
一人称の表記(私・筆者・僕など)や、読者への呼びかけ方(あなた・皆さんなど)も、このタイミングで基準を決めます。章によって呼び方が変わると、読者は同じ著者が書いた本だと感じにくくなります。
手順3: 表記ゆれを洗い出して統一する
数字の全角・半角、カタカナ語の表記(サーバー/サーバなど)、固有名詞の表記を、原稿全体で検索して統一します。最初に使った表記を基準にし、あとから出てきた表記をそちらに合わせるとやり直しが少なくなります。
略語を使う場合は、初出の箇所に正式名称を添えておくと、章をまたいで読む読者にも意味が伝わります。この作業は地味ですが、複数の文章を寄せ集めて作った原稿ほど時間がかかります。
手順4: 見出しの体裁をそろえる
見出しの文言を、体言止め(〜すること)か文の形(〜します)かで統一します。見出し・改行・改ページの入れ方もあわせて確認すると、目次に並んだときの見た目までそろいます。
見出しの段階数(章と節など)も、本全体で同じ数にそろえておきます。途中の章だけ節がさらに細かく分かれていると、目次を一覧で見たときに粒度がばらついて見えます。
手順5: 通し読みで最終確認する
最後に、最初から最後まで通して読み直します。文体の統一は、部分ごとに直しただけでは確認できず、通して読むことでしか気づけない箇所が残ります。
声に出して読む、あるいは章単位で日をおいて読み直すと、目で追うだけでは気づきにくい語尾の乱れに気づきやすくなります。校正(出版前の確認工程)も、この通し読みとあわせて行うと二度手間になりません。
つまずきやすい点
- 基準を決めずに直し始め、途中で方針が変わって前の分をやり直す
- 敬体と常体の判断だけで満足し、語尾のバリエーションまでは統一し忘れる
- 表記ゆれの統一を後回しにして、最後にまとめてやろうとして時間が足りなくなる
- 中断すると、敬体と常体のどちらに決めたかを忘れ、再開のたびに確認から始まる
- 自分ひとりで読み返すと、書いた本人ほど誤りに気づきにくい
これらは、能力ではなく手順の問題です。基準を先に決め、直す順番を決めておけば、同じつまずきは避けられます。
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